ひたちなか市:十五郎穴横穴墓群(その3)

2020年3月下旬のことだが,十五郎穴横穴墓群(茨城県ひたちなか市中根)を見学した。
十五郎穴横穴墓群は,虎塚古墳群周辺に所在するかなり大規模な横穴墓群であり,最新の調査結果は,ひたちなか市教育委員会,公益財団法人ひたちなか市生活・文化・スポーツ公社編「十五郎穴横穴墓群-東日本最大級の横穴墓群の調査-」(2016)にまとめられている。
今回は,一般人でも見学可能な範囲内で,十五郎穴横穴墓群のほぼ全域を歩いて回り,見学した。

十五郎穴横穴墓群は,これまでの調査研究史の中で異なる区分もなされてきたけれども,同報告書の中では横穴墓群全体が概ね3つの区域に分けられている。館出支群は横穴墓群全体の中央に位置し,館出支群の北の方に指渋支群があり,館出支群の西の方に笠谷支群がある。これらの支群は,それぞれ更に細かく区分されている。

館出支群指渋支群を見学した後,笠谷支群に向かい,東の方にある笠谷I区から南西の方にある笠谷VIII区まで順に見学し,笠谷IX区付近を道路から遠望した。これらの横穴墓群は,段丘崖にある。段丘の上の台地平坦地には笠谷古墳群がある。笠谷地区に所在する横穴墓と笠谷古墳群を構成する古墳の配置図は,「十五郎穴横穴墓群-東日本最大級の横穴墓群の調査-」の59頁にある。

笠谷I区には一見すると立派な横穴墓のように見えるものがあるけれども,これは,横穴墓ではなく,「十五郎穴横穴墓群-東日本最大級の横穴墓群の調査-」の60頁の第29図内で「SX1」と表示されている戦時中の防空壕とのこと。推測としては,比較的大きな横穴墓を二次利用したものだろうと思う。
SX1から西に隣接して調査のためのトレンチ跡らしき地形があった。

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笠谷III区所在地(手前)~笠谷I区所在地(奥)付近


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笠谷I区所在地付近から見た圏央道


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戦時中の防空壕跡(SX1)


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笠谷I区のトレンチ跡?


笠谷II区~笠谷III区付近には多数の横穴墓があるはずなのだが,その大部分は表土よりも深いところにあり,調査後に埋め戻されたらしく,外見上は何もないように見える。とはいえ,幾つかそれらしきものを見ることができた。


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笠谷III区1号墓付近


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笠谷III区2号墓?


笠谷IV区の1号墓は,道路から見える巨岩をくりぬいて造営された比較的大きな横穴墓で,景勝的にはこの区域を代表する横穴墓と言えるのではないかと思う。


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笠谷IV区1号墓


笠谷IV区~笠谷VII区付近は人家が多く,横穴墓近くをうろうろするのはどうかと思い,道路から見える範囲内で見学した。


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笠谷VII区1号墓~3号墓付近


笠谷VIII区には横穴墓を二次利用したものだろうと思われる比較的大きな防空壕(SX2)がある。たまたま所有者の方と出逢ったので,挨拶し,了解を得て,その中をちょっとだけ見学した。だいぶ奥まで掘られているらしいのだが,危険なので中には入らず,入口付近から見える範囲内で写真を撮った。


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笠谷VIII区の防空壕(SX2)南側入口


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笠谷VIII区の防空壕(SX2)内部


このあと,笠谷IX区付近を遠望しながら西の方に進み,台地上の笠谷古墳群に向かった。


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笠谷IX区付近


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西の方から見た笠谷VII区~笠谷IX区のある台地

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