桜川市:長辺寺山古墳

2020年3月中旬のことだが,長辺寺山古墳(茨城県桜川市岩瀬)を見学した。
長辺寺山古墳は,桜川市岩瀬体育館ラスカの北にある長辺寺山頂上付近にあり,全長120m・後円部直径68m・後円部高さ7m・前方部長さ50m・前方部幅40mの前方後円墳とされている。
長辺寺山の北側半分くらいは昭和金属工業株式会社が所有しており,その所有地内に長辺寺山古墳が所在するため,同社の許可を得て北側の方からアプローチする場合を除き,南側の方からは直接にアクセスすることは不可能な状態となっている。山頂付近の敷地境界付近には有刺鉄線が張られ,立入禁止の表示がある。しかし,その有刺鉄線の手前(南側)の方からは墳丘を観ることができる。事実上,その有刺鉄線の破れたところから入ることは不可能ではないと思われるけれども,立入禁止の表示がある以上,所有者の許可がある場合を除き,墳丘に直接にアクセスしてはならない。茨城県考古学協会編『茨城の考古学散歩』(平成22年)の307頁にも「安全管理上,立ち入り禁止となっているため,見学は不可能です」と明記されている。
桜川市岩瀬体育館ラスカの方から徒歩で山を登り,「岩瀬城」という総合娯楽施設の前を通って更に山道を登り,山頂付近に至ると,電波監理施設がある。その電波管理施設の裏側(北側)に位置する山頂部分のほぼ全体が墳丘となっている。
墳丘の西側部分は,見た目には「のし餅」のような比較的低い段のようなものが続いており,墳丘のようには見えないけれども,その部分が前方部のようだ。現時点で前方部とされている部分は長大なものとなっているのだが,かなり疑問で,前方ではない祭祀施設であるか,または,後代の造作の可能性があると思った。茨城県教育委員会編『重要遺跡調査報告書Ⅰ』(昭和57年3月)の46頁には「前方部の高さが後円部の大きさや高さに比して極度に低いような気がする」と記されている。
山頂部分の東端付近に円墳状に盛り上がった部分があり,その部分が後円部とされている。現況では直径68m・高さ7mには到底見えない。既に大規模に掘削されてしまっているかのような印象を受ける。精密な発掘調査が望まれる。
山頂部分を桜川市が買い取り,きちんと整備したら良いのではないかと思った。現況では,あまりお勧めできない古墳だと言える。

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桜川市岩瀬体育館ラスカ


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ラスカ駐車場付近から見た長辺寺山


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ラスカ駐車場付近から見た長辺寺山頂上付近
(寺院の屋根よりも左側の部分が墳丘所在地)


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「岩瀬城」のゲート付近


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山道から見える景色


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山頂付近の電波管理施設


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立入禁止の表示と有刺鉄線


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前方部端付近


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前方部の一部


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後円部

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