水戸市:馬塚古墳

過日,馬塚古墳(茨城県水戸市愛宕町)を見学してきた。以前訪問したことがあり,今回が2度目の訪問になる。馬塚古墳は,旧生涯学習センターの跡地の入口付近にある。特に変わった古墳というわけではないが,どうにか残されている。この馬塚古墳の近くには姫塚古墳という古墳があったそうだ。現在は湮滅している。姫塚古墳を湮滅させた水戸原子力事務所(昭和38年発足)は組織変更により消滅し,その跡地として利用されていた生涯学習センターの建物も現在では消滅している。その場所に残されたものは,単なる更地だけ。「こうなることを予想しなかった」という理由で昭和38年当時の担当者が遡及的に処罰されたり懲戒されたりするようなこともない(おそらく,全員物故者となっている)。
一般に,公的機関の建造物や施設等を建てるための開発をするときには,希望的観測を一切捨て,負の要素を可能な限り最大限考慮に入れ,将来を十分に見通した文化財保存計画をたてるべきだ。現代社会において,何百年も残る可能性のある建造物や施設等はほとんどない。せいぜい20~50年くらいで物理的に消滅してしまうものだ。そのような建造物や施設の建設のために1000年以上も残されてきた文化遺産を掘削してよいかどうかが検討されなければならない。
このことは,(宅地やマンション等のデベロッパー,太陽光発電事業者を含め)民間企業でも全く同じで,どんな超有名企業でも倒産や経営破綻はあり得ることだし,そのために破産法や民事再生法のような法制度が存在している。民法や会社法においても,法人の清算が行われることを前提とした諸条項がある。人間に寿命があるのと同様,どんな組織であっても「いずれは必ず死に至る」ということを絶対的な前提とし,そのことを明白に認識した上で,組織というものを考えなければならない。
一般に,人間も組織も「いずれ死んで消滅するために生きている」ようなものだ。このことを否定することはできない。だからこそ,「どう生きるべきか?」を考えることが大事なのだ。

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南側から見た墳丘


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南東側から見た墳丘


現在では消滅してしまった姫塚古墳の神を祀る祠は,現在は,愛宕山古墳の墳頂にある愛宕神社(茨城県水戸市愛宕町)の境内地にある。

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姫塚古墳の神を祀る祠(愛宕神社の境内地)

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