ヤマユリ

野山を散策していると,ユリが生えているのを見かけることがある。特に古墳の墳丘等で見かける。ただ,葉と茎だけで種類を見分けるだけの能力はないので,「たぶんヤマユリだろうな・・・」と思いつつ,花が咲いている時でないことを残念に思うことがしばしばある。しかし,花が咲いている時期というものは,蛇,スズメバチあるいはマダニ等の有害な生き物も活発に活動している時期であり,イノシシと遭遇する危険性もあるので,なかなか難しい。そこで,どうしてもそのようなリスクの低い場所を選んで散策することになるのだが,そうすると,今度は逆に野生の植物の花と出会う確率が低下するというジレンマがある。先日,段丘崖の部分だけ部分的に山地といえる台地に所在しているある神社を訪問した。その参道となっている階段は,段丘崖の急斜面にある。幸運なことにヤマユリ(Lilium auratum)の花が咲いているのを見つけることができた。階段のすぐ脇なので,もしかすると近隣の農家の人が植栽したものかもしれないが,それにしても幸運だと思った。ヤマユリは,救荒植物でもあり,その鱗茎を食用とすることができるし,本草(薬用)として用いられることもあるから,江戸時代以降に神社・寺院の森や段丘崖等に積極的に植栽され,各地において増え,分布を拡大した植物かもしれない。日本国においては,そのようにして自然環境を畑地のように上手に使う人工栽培がかなり昔から普及していたという仮説(=純粋な意味での野生植物とその分布は少ないという仮説)に基づき,いろいろと考えながら散策している。そのような場所は,深山幽谷ではなく,人里そのもの,または,それに近いところにある。

IMG_3418.JPG


IMG_3423.JPG



この記事へのコメント