下野市三王山:朝日観音

国の緊急事態宣言が解除された後のことだが,過日,朝日観音(栃木県下野市三王山)の所在地を訪問し,その周辺にある遺跡所在地を見学した。
朝日観音の参道・石段は,御堂のある場所の西側にある。朝日観音の御堂は,立派なものなのだが,長い間誰もお世話をしていないらしく,ほぼ朽廃に近い状態にあった。参道・石段付近の地形は,何となく古墳所在地のような雰囲気をもっているけれども,現代に近い時代に墓地として使用されていた場所のようだ。現時点では何もない。
朝日観音周辺の遺跡包蔵置は広範囲で発掘調査が実施され,墳丘墓の遺構,墳丘をもたない地下式石室,方形周溝墓,建物跡等が発見されている。いずれも地上部は既に失われており,発掘調査の結果発見されたものだ。その詳細は,南河内町教育委員会編『朝日観音遺跡』(昭和62年3月)にまとめられている。この発掘記録とほぼ同じ内容のものは,編集を加えた上で,南河内町史編さん委員会編『南河内町史 史料編1 考古』(平成4年)の346~391頁に収録されている。
朝日観音遺跡にあった方形周溝墓に関しては,『南河内町史 史料編1 考古』の505~508頁に解説がある。

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朝日観音の参道石段


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参道・石段脇の馬頭観世音


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朝日観音の御堂


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朝日観音の参道・石段前付近


朝日観音所在地のすぐ北側には三王山古墳群19号墳(旧16号墳)がある。再訪し,見学した。
このあたりで明確に墳丘と認識可能な古墳は,この1基だけになってしまっているのではないかと思われる。


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西の方から見た様子


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南西の方から見た様子


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19号墳所在地付近にある十九夜供養塔
(湮滅した旧17号墳所在地)


朝日観音の南の方には幾つかの古墳があったようなのだが,現在ではほぼ全て湮滅しているのではないかと思われる。ただ,太陽光パネルの敷地内に古墳の残部ではないかと思われるような地形部分があった。これが古墳に該当するかどうかは確実ではない。


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古墳の残部?


朝日観音所在地の西側にある台地縁付近は竹林になっている。その竹林の中には旧8号墳,旧9号墳,旧10号墳,旧13号墳,旧14号墳の残存物があるように見えるが,竹林が荒れていて,その中に入ることができないので,確実ではない。道路によって一部掘削された10号墳及び13号墳だけはその断面の一部のようなものが道路から見える。
なお,これらの古墳の配置図は,『南河内町史 史料編1 考古』の308頁にある。


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旧10号墳または旧13号墳と思われる塚の残骸のようなもの

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