古河市久能:ベッタリ塚古墳

過日,ベッタリ塚古墳(茨城県古河市久能)を見学した。
総和町史編さん委員会編『総和町史 資料編 原始・古代・中世』(平成14年)の264頁によれば,ベッタリ塚古墳は,南北25m×東西33mのほぼ円形の古墳とのこと。ただし,茨城県教育委員会編『重要遺跡調査報告書Ⅲ』(昭和61年3月)の290頁は,墳形が約28m×26mの長方形を呈しているとしつつ,今井隆助『猿島の郷土史』を引用して,後円部直径14.7m×前方部長さ6mの前方後円墳とする見解を紹介している。現況からすれば,現在墳丘のように見えている下部が台地の地山を削った結果生じたものだとすれば,実際には小規模な塚であり,『猿島の郷土史』の見解が最も正鵠を射ていると言い得るのではないかとも考えられる。
段丘縁にあり,ベッタリ塚の東側にはベッタリ塚を避けるようにして湾曲した道路があり,その東側は低地の耕地となっている。その耕地の東側には宮戸川が南北に流れ,更に東側の段丘縁には磯ノ木古墳がある。
また,ベッタリ塚の東側~南東側の地山部分及び墳丘の一部は削平されて平坦地になっているので,そちらの方からベッタリ塚を見ると,実際の高さよりも高いように見える。
なお,『総和町史 資料編 原始・古代・中世』の264頁によれば,ベッタリ塚からは埴輪や石室石棺材等のような古墳に伴うと思われる遺物が採取されていないとのことなので,古墳ではなく後代の塚である可能性もないとは言えない。仮にベッタリ塚が古墳ではないとすれば,久能向原古墳群が消滅してしまった以上,古河市の久能地区に現存する古墳はないということになりそうだ。

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北西の方から見たベッタリ塚所在地付近


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北の方から見たベッタリ塚

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東の方から見たベッタリ塚


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南東の方から見たベッタリ塚


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ベッタリ塚の墳頂付近


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宮戸川


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宮戸川にかかる橋付近から見た磯ノ木古墳所在地付近


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宮戸河にかかる橋付近から見える日光山

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