東松山市:箭弓稲荷神社

過日,箭弓稲荷神社(埼玉県東松山市箭弓町)を参拝した。祭神は,保食神。「箭弓」は「やきゅう」と読む。
箭弓稲荷神社の創建は,和銅5年(712年)とのことなので,和銅遺跡などで銅鉱石が採掘され始めた頃ということになる。
由緒書によれば,箭弓稲荷との名は,平忠常の勢力が現在の川越市付近まで及んだため,源頼信が朝廷から追討の命を受け,野久稲荷に戦勝を祈願したところ,箭の形の雲が現れ,激戦の末に戦勝したことから,社殿建替えを寄進するとともに野久稲荷を箭弓稲荷と改めたとのことだ。
境内は広く,社殿は立派なものだった。本殿の彫刻は極めて優れたもので,それぞれ詳細な説明板があった。なお,神楽殿は,改修工事中だった。
境内社として團十郎稲荷または穴宮とも呼ばれる宇迦之魂社がある。参拝した。穴宮との名称の由来に関する由緒書の記載からすると,この場所に古墳石室があり,開口していた可能性があると思われる。ただし,現在では何もない。
私が訪問した時には参拝客が結構多数あった。幸いにも人が途切れる瞬間が何度かあったので,その機会を逃さずに写真を撮影した。

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一の鳥居


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二の鳥居


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三の鳥居


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拝殿


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拝殿正面の彫刻


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本殿


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本殿の彫刻の一部


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本殿の彫刻の一部


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本殿の彫刻の一部


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本殿の彫刻の一部


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社殿側面


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元宮


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境内配置図


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由緒書


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説明板


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宇迦之魂社鳥居


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宇迦之魂社拝殿前の鳥居


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宇迦之魂社拝殿


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宇迦之魂社本殿


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宇迦之魂社社殿全景


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宇迦之魂社由緒書


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神輿庫


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箭弓稲荷神社牡丹園入口付近


一般に,平忠常に関しては歴史の教科書等でもほとんど触れられることがない。しかし,現在の千葉県を本来の領地とする武将が現在の川越市付近まで勢力を拡張するということは,どういうことを意味するのか,歴史の見直しが必要なのではないかと思う。武将一人だけでこのようなことを達成できるはずがなく,非常に多数かつ広範囲の武将が平忠常に帰順していたという事実が存在しなければ,平忠常と源頼信との間の戦闘がそもそも成立しない。
また,源頼信は,平忠常への帰順を拒んだ勢力の総大将として,非常に多数の武将の領地を守るための防衛戦として戦ったと考えられる。
一般に,人間は,例えば新領地の獲得のような欲望の実現のためにも結束するが,それ以上に,現在の領地と生命を喪失する差し迫った危機に直面すると,結束し,全体として,本来もっている力の何倍もの力を発揮できることがある。
源頼信は,そのような結束を成立させることができるだけのカリスマと信頼と能力をもっていたのだろう。


 箭弓稲荷神社
 http://www.yakyu-inari.jp/

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