水戸市下国井町:富士山古墳群

2020年3月中旬のことだが,七ツ洞公園(茨城県水戸市下国井町)を訪問した際、主として同公園の東側隣地・山林内に分布する富士山古墳群を見学した。古墳群中の1基の円墳は,七ツ洞公園内のダムDの北東端にある四阿のすぐ脇にある。
七ツ洞公園と山林との間には鉄線が張られていて出入禁止のようになっているけれども,山林の南東側の方には特に柵や立入禁止の表示等はない。ただし,この山林の東側の方は茨城県農業総合センター農業研究所の敷地らしく,そのあたりは立入禁止となっていた。ちなみに,資料によると,この茨城県農業総合センター農業研究所の敷地内にもかつて古墳があったらしい。
富士山古墳群が所在する山林は,里山保全地域に指定されているけれども,笹や低木が繁ってひどく荒れた状態になっており,ほとんど手入れが行われていない状態なので,こまめに手入れすること(特に冬の間に笹や低木を刈り取って綺麗にすること)を必須の成立要素とする「里山」としてはその保全のための管理が全く行われていない原野状態に近い山林だと判断した。茨城県の農業研究所があるのだから,「里山」及びその自然環境とはどのようなものであるのかを全く知らないということはあり得ないことだ。加えて,この山林の南側~南東側には道路があるが,その道路に面した部分にはほぼ同一規格で掘削された方形の部分が複数あった。それが何であるのかはよくわからないのだけれども,戦時中の軍事施設の遺跡なのではないかと疑われる。

さて,詳細な資料を入手していないので確実なことはよくわからないけれども,いばらきデジタルマップの表示によれば,富士山古墳群は,1基の前方後円墳と8基の円墳で構成される古墳群とされている。他方,水戸市史編さん委員会編『水戸市史 上巻』(昭和38年)の132頁によれば,七ツ洞池の台地上には富士山古墳(全長18.1m・後円部直径12m・後円部高さ2.6m・前方部幅5m・前方部高さ1.6mで,前方部を南に向けた前方後円墳)と5基の円墳があると記されている。水戸市教育委員会編『水戸市埋蔵文化財分布調査報告書(平成10年度版)』22~23頁には,1基の前方後円墳と8基の円墳で構成される古墳群であること,前方後円墳の現況は円形となっていること,前方後円墳と1基の円墳(直径20m)が発掘調査されたことなどが記されている。古墳群中の1基の円墳は七ツ洞公園敷地内にあるので,残る6基の円墳+現況円墳状の前方後円墳(富士山古墳)の合計7基の古墳が山林内にあるはずだということになる。
なお,現時点では公式の付番がわからないので,仮に古墳A~古墳H等と表示することにする。今回は,正規の分布図等を入手していない状態でのおおざっぱな見学だったので,機会があれば再訪し,精密に見学したいと思っている。

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古墳群であることを示す朽ちた標柱


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北の方から見た古墳A(富士山古墳?)


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東の方から見た古墳A(富士山古墳?)


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古墳B?
(記録の不備により,南の方から見た古墳Aの写真かもしれない)


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古墳C(最南端)


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古墳C(最南端)の周溝?


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山林の方から見た七ツ洞公園内の古墳


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古墳D


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古墳E


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古墳F


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古墳G?


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古墳H?


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富士山古墳群のある山林の南東にある別の山林内の様子

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