流山市:芝崎1号墳とその周辺

過日,柴崎1号墳(千葉県流山市柴崎字犬田)を見学した。この古墳は,詳細が不明ながら円墳とされており,セブンイレブン流山古間木店のすぐ近く(南西)にある。
東武アーバンパーク線流山おおたかの森駅でつくばエクスプレスに乗り換えて流山セントラルパーク駅まで行き,そこから先は,周辺地域の状況を観察しながら徒歩で往復した。元はのどかな田園地帯であり,本当にオオタカ等の野鳥の宝庫だったと思われるのだが,現況ではかなり無理な開発が急速に進められており,自然環境の破壊が大規模に進行している。もともと自然堤防や低い台地と谷地等の低地とが複雑に入り組んでいる微妙な地形で構成された地域であり,それゆえに「流山」との地名もあるところなので,谷地を埋めて造成された住宅地部分等に関しては大規模な水害や地滑り崩壊などが発生するリスクがあると思われる。

それはさておき,流山セントラルパーク駅の周囲は現代的な開発が完了しているけれども,東に向かって少し歩くと開発済みの団地と造成中の団地がずっと続いていた。元は小川と湿地だったところが普通の団地になっているのを目にすると,複雑な気持ちになった。山王神社(千葉県流山市古間木)の前を通ったので,立ち寄って参拝した。

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山王神社


しばらく歩いた後,やっと現地に到着した。小さな円墳だった。開発業者にとっては何の価値もないものかもしれないが,もし本当に古墳時代の古墳だとすれば1000年以上も維持されてきた墳丘なので,ただそれだけで大きな文化財としての価値がある。


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北東側から見た芝崎1号墳


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北西側から見た芝崎1号墳


なお,「古間木第1塚」という庚申塔があるはずの近世の塚の所在地付近を通ったけれども,既に破壊されており,痕跡のようなものしかなかった。「古間木第2塚」という近世の塚は,現代の墓地となってはいたけれども,かつての塚の姿を若干なりとも残す残存形態を維持していた。

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古間木第1塚所在地付近


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古間木第2塚と思われる墓地区画


一般に,これから1000年後には現在優勢な家系の大半が完全に消滅していることがほぼ確実で,一般的な企業の平均寿命は30年とされており,かつ,現在建設されている建造物の寿命はたかだか50年前後なので,それだけの短期間の需要のために1000年以上ももちこたえた文化遺産を破壊してしまってよいのかどうか,根本から考え直すべき時期に来ていると思われる。
そもそも,民法に定める「所有権」は,公共の福祉による制限を受けるものであり,その所有者は法令に定める制限内で所有物を使用・収益・処分できるだけなので,絶対者として「何でもできる」わけではない。

途中の荒地のようなところではススキの穂が揺れていた。


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