鉾田市:寺前古墳

過日,寺前古墳(茨城県鉾田市烟田氷川)を見学した。天台宗・無量山西光院の近くにあり,かつて烟田城の一部だった台地の南西縁にある。この部分の段丘崖は,現在でも崩壊を続けているように思われる。そのため,寺前古墳もいずれ崖地崩落と運命を共にして消滅してしまうのだろうと思った。現在ある墳丘も過去に存在した墳丘の一部に過ぎないと推定される。なお,寺前古墳の推定規模や構造等の詳細は不明。古墳であることを示す標識は,以前は地面に立てられていたものなのだが,根本が腐ってしまったらしく,樹木の幹にくくりつけられていた。

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北側から見た全景


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東側から見た全景と西側段丘崖


古墳前の道路を挟んだ向かい側に石仏(子安観音と如意輪観音?)が並べられた小さな区画があり,私がこの地を訪問した時には供養が行われていた。庚申供養を含め,このような古い時代からの信仰は,過去のものではなく,現在でも生きているようだ。

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石仏と供養


石仏の背後に建てられているY字型の木の棒のようなものは「ザカマタ」と呼ばれるもので,安産祈願などに用いられるものなのだそうだ。移動の途中で,鉾田市内の別の場所の庚申塔の前にもザカマタが建てられているのを見かけた。

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鉾田市内の別の場所で見かけた庚申塔


西光院は,烟田城の跡地の一部に所在する寺院で,参拝して境内などの丁寧に拝見したかったのだが,手持ち時間がほとんどなく,今回は断念することにし,山門の前で合掌一礼するだけにとどめた。近隣の氷川神社も参拝したいので,いずれ機会をみて再訪することになるだろう。

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西光院


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説明板


なお,現在では閉鎖されている新宮小学校の校庭敷地内には,かつて,氷川古墳が存在した。しかし,学校敷地の造成のため湮滅したようだ。その学校は閉鎖され,現在では全く使用されていないのだけれども,湮滅した氷川古墳を復活することはできない。同様の例は日本各地に数えきれないほど多数ある。一般に,学校を新設するための用地は,墓地などの条件の悪い土地や,何らかの言い伝えにより使用されなくなった雑種地や山林であることが多く,そのような土地が実は遺跡包蔵地である可能性が高いので,ますますそうなる。
あくまでも一般論としては,高度経済成長時代とは,無知・無教養の時代でもあると言い得る。(私自身を含め)そのような時代の親に育てられた子供達の中には更に無知・無教養の度合いを強化されている者が存在する可能性がある。今後,そのような状態が更に深化し続けることを危惧する。


 はなゆみ:烟田城(かまたじょう)
 http://hanayumi.kage-tsuna.com/70/71kamata/kamata00.html

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