茨城県猿島郡五霞町:浄雲寺薬師堂と穴薬師古墳

過日,浄雲寺薬師堂(茨城県猿島郡五霞町川妻)を参拝し,その近く(南方)にある穴薬師古墳を見学した。浄雲寺薬師堂の境内地には,石塔や石仏等もあり,古くから広く信仰の対象とされてきた寺院のようだ。浄雲寺薬師堂の起源に関しては諸説あるけれども,穴薬師古墳の石室部が薬師如来の信仰のために用いられていたらしいということと関係するものであることを否定する見解はなく,古墳の成立のほうがはるかに古いものなので,いわば石室(穴)を奥の院として仏教を信仰し,その関連施設として浄雲寺薬師堂が建立されたものだと理解することは合理的なことだと思う。
穴薬師古墳は,浄雲寺薬師堂から徒歩ですぐのところにある。直径約30mの円墳とされているが,一部掘削されているように見える。石室に至るまでの部分が綺麗に整備されており,墳丘は丁寧に手入れされていた。石室入口には扉があり,施錠されているが,扉の隙間から石室内を拝見することは可能だ。
浄雲寺薬師堂と同じような起源をもつとされる寺社としては,例えば,穴八幡宮(東京都新宿区西早稲田)がある。また,石室のような場所を奥の院として仏教を信仰する宗教施設としては,例えば,成田山新勝寺(千葉県成田市成田)の奥の院があり,成田山新勝寺の奥の院には唐の時代の虚空蔵菩薩(東寺の虚空蔵菩薩参照)と似たような冠を戴く様式をもつ大日如来像が安置されている。「虚空蔵」と「国造」とは,(読み方により)音が酷似しているところが興味深い。「国造」の「くにのみやつこ」との読みは訓読みによる別名(異名)の一種のようなものが後世になって逆に正式の読みのようなものとされるに至ったものかもしれない。

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浄雲寺薬師堂の本堂


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境内にある庚申塔など


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宝篋印塔など


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穴薬師古墳正面


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穴薬師古墳側面


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穴薬師古墳の石室内


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穴薬師古墳の説明板


五霞町:穴薬師古墳
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