坂戸市:勝呂廃寺跡

勝呂廃寺跡(埼玉県坂戸市石井)を見学してきた。その範囲はかなり広大なものと推定されている。しかし,現時点で復元公開されている部分は,狭い範囲だけだ。現在公開されている地点を含む周囲の地域の地下には,この廃寺の遺跡が眠っているのだろう。
勝呂廃寺には五重の塔が存在したと推定されている。廃寺の所在地が段丘の中でも最も標高の高い地域にあり,しかも,その北側には段丘崖となっており,そこから先は古代の河川や海の一部となっていたと考えられることから,その塔からは相当遠くまで見渡し,航行する船舶を監視することができたと考えられれる。つまり,勝呂廃寺は,寺院ではあるけれども,その施設は,軍事・諜報の目的のためにも使用されたと想像することが可能と考えられる。古代史について考える場合,寺院や神社を純粋に信仰のためのみの施設と考えないことが肝要だと思う。そもそも,当時の仏教は,統治のための重要な手段の1つだった。そして,多くの場合,軍事施設を兼ねていると推定されるし,少なくとも,当時の支配者の威信・権威を示すためのものであったことは誰も否定できない。

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復元・公開されている区域


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説明板



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