坂戸市:勝呂神社と古墳

勝呂神社(埼玉県坂戸市石井)を参拝し,同社の基壇部となっている勝呂神社古墳を拝見してきた。勝呂神社は,四道将軍の中の1人として名高い渟河別命ゆかりの神社としても有名で,現在の主祭神は,菊理姫命・伊奘諾尊・伊奘冉尊,配祀神は,建渟河別命・豊入彦命となっている。境内社として,勝實稲荷社、金守稲荷社、八幡社、熊野権現、箭弓稲荷、氷川社がある。墳丘上の境内には,この古墳から出土したとされる板状の岩があるほか,階段脇に近隣の古墳(胴山古墳?)から出土し,ここに運び込まれたという比較的大きな石材石が重ねられている。渟河別命の伝承が本当のことであるか否かは謎としか言いようがないが,古い時代の支配者の墓所であることは疑いようがない。これらの点に関し,酒井清治「埼玉県寺谷廃寺から勝呂廃寺への変遷-素弁軒丸瓦から棒状子葉軒丸瓦へ-」駒沢史学82号187~212頁(2014)が「規模の大きな古墳や遺跡がない地域に、突如在地や群馬の系譜でない畿内・東海の新技術を導入して羽尾窯、平谷窯を操業し、続いて東日本最古の寺谷廃寺の建立を行っていること」と指摘している点は,無視できないように思う。

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鳥居


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説明板


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境内案内図


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拝殿


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本殿脇(古墳主体部)にある勝運霊石(石棺材)


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墳丘上の境内社


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墳丘上の境内社


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境内社


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境内社


勝呂神社の拝殿には,トンボを図案化したものが掲げられていた。トンボは後退することなく常に前進で飛行する昆虫なので,「勝つ(=進軍)」にかけているのだろうと思う。願掛けの絵馬にもトンボを図案化した「勝」の字が用いられている。

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拝殿に掲げられたトンボ


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階段脇の石棺石


この古墳は,正面から見ると方墳のようにも見えるが,神社脇の道路を歩いて側面と背面を観察すると,大きな円墳(直径約50m)であることを理解することができる。側面から見ると,拝殿と本殿が連結されて一体化した構造のものであることがわかる。

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墳丘の裾野にキツネノカミソリ(Lycoris sanguinea)の花が咲いていた。ただし,植栽によるものかもしれない。

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