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zoom RSS 野の露にやつるる藤袴

<<   作成日時 : 2015/10/17 13:48   >>

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雨上がりなので露に濡れた状態のこの時期のフジバカマ(Eupatorium fortunei)を見ることができるはずだと考え,つくば植物園に出かけてみた。その周囲は全く香らない。芳香とは完全に無縁の植物だ。乾燥して加工した葉でなければ香りが出ないのだろうと思う。

Eupatorium fortunei


Eupatorium fortunei


Eupatorium fortunei
フジバカマ(Eupatorium fortunei)


その姿をちょっと観察しただけでも,『源氏物語』に「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」、「尋ぬるにはるけき野辺の露ならば薄紫やかことならまし」の「藤袴」ではあり得ないということを理解することができる。

そもそも,このような状態の植物を都の貴人がみつけることなどできるはずがない。現代の植物学者や愛好家でもよくわかっている人でなければ見つけられない。

『源氏物語』の「藤袴」はキク科のフジバカマ(Eupatorium fortunei)ではなく,別の植物に間違いないと思う。

キキョウかリンドウを考えるのが正しいのではないかとの仮説をたて,更に研究続行中。

ちなみに,『懐風藻』にある「蘭」も同じで,物理的にあり得ないのに「フジバカマ」と注釈しているものが圧倒的に多い。そのように注釈する者は,実物を継続的に観察したことが全くないのだろうと考える。

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秋風辭「蘭に秀あり」?
『中国名詩選(上)』(岩波文庫)の改訂版が出ていたので購入して読んだ。「秋風辭」という詩が収録されている(152頁)。その注釈(153頁)によると,「蘭」は「フジバカマオの類」と書いてある。この詩の内容は,「草木黄落」つまり草木が枯れ果てた後の晩秋の頃に「蘭あり秀また菊あり芳」として蘭と菊を愛でるものだ。 ...続きを見る
怠け者の散歩道
2015/11/08 16:36

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
電脳中年Aさん

仰られる通りだと思います。
そもそも「リンドウ近縁種」の1日の形態(花)を見ても解ると感じます。

薄紫のイメージも実際これがあっていたとの想定の上でその色の解釈になっているわけですが・・・「藤」の色と「フジバカマ」の色があまりにも違い「フジバカマ」はどちらかと言えば紅に近い色味で桜色に近いです。

色々と「藤袴(源氏物語)」「フジバカマ(現状の認識)」を同一と考える方が整合性に欠けると思いますね。



緑屋
2015/10/18 02:13
緑屋さん

キク科のフジバカマの花は,どう妥協しても「藤色」とは言えないですよね。そもそもここらへんの問題を無視してきたことに誤解の最大の原因があるのではないかと思います。

『源氏物語』の「藤袴」にも「蘭」が出てくるので,「蘭=蘭草」という図式で牽強付会したくなってしまったのでしょう。

年数をかけて実物を観察し続ければ誰でも理解することができるのに,手抜きをするから間違ってしまうのだとも考えます。

先達の考えを尊重すべきことは当然のことなのですが,もし先達の考えが間違っているのであればそれをただすのが学者の仕事というものなので,そうしないで前例踏襲だけしているのであれば学者ではなく行政官になったほうが良いと思います。行政官は画一的で統一的な行政権の行使をしないと国民に対する不平等な取扱いを発生させてしまうことになりかねないので,画一的で前例踏襲的でなければなりません。

電脳中年A
2015/10/18 08:20

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