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zoom RSS 自宅のラン:石斛超肥培実験

<<   作成日時 : 2015/05/15 09:43   >>

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品種名はわかっているのだけれどあえて書かない。ある石斛品種をヘゴづけにし肥培して育ててみた。予想以上に簡単に解答が出た。Den. SpeciokinganumとDen. Cassiopeをベースとしつつ,Den. aphyllumのような多花性種を用い,裏紅で桃色花という味付けをするための交配を重ねた品種に100パーセント間違いない。

Dendrobium cv.


Dendrobium cv.


Dendrobium cv.


Dendrobium cv.
A株


写真のヘゴ板の上部にある白い袋のようなものはマグアンプKを入れた袋だ。袋それ自体は,自家製でティーバッグをつくるための袋として100円ショップなどで売っているもの。散水すると内容物となっている肥料が微量に溶出して植物体にかかるようになっている。

この方法は,随分前に筑波植物園の蘭栽培名人・鈴木氏から教えていただいたものだ。その後,色んな人にこのやり方を教えたので,着生蘭の栽培では結構普及しているように思う。

さて,実験では,比較対照するため,複数の株を用いて行った。

この写真の株をA株,対照株をB株とする。同一個体の分け株だ。

B株は,A株と同じようにヘゴ付けにし,日蔭を多くとるようにドウダンツツジの木陰にぶら下げ,別の環境を用意して育ててみた。すると,この写真の個体と同じように大きくなったのだけれど,花は品種本来のものとされる桃色花の姿を維持し,唇弁の基部はほとんど濁りのない緑色となり,花芽の付き方はセッコク(Den. moniliforme)に近いような感じのままとなった。

これに対し,この写真の個体(A株)については,日光をよく当てて育ててみた。すると,写真のような別物へと変質し,矢(茎)のあちこちから多数の花芽が出てきた。唇弁の形状や斑紋も異なる。

「複雑な交配を経て作出された品種は,形質が固定しているわけではなく,栽培条件の相違によって親種となっているどれかの種の形質がまちまちに出てくることがある」ということを実証する栽培例がまた一つできたことになる。

非常に面白い。

なお,形質が固定していない品種を固定しているものとして品種登録することは,登録者自身の錯誤による場合には違法とは言えないかもしれないが,仮にそれが過失によるものであったとしても,消費者保護との関係では債務不履行責任や不法行為責任の原因となることはあり得るだろうと思う。従来,石斛品種については正式に品種登録されているものが意外と少ないが,もしかすると,作出者自身,こういうことが起きるということをよく知っていて,「あぶない」と思っているので品種登録していないのかもしれない。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
電脳中年Aさん

大変興味深いお話です。
私はつい、人間にも当てはめて考えてしまいそうです…。
ぱんだうさぎ
2015/05/15 11:33
ぱんだうさぎさん

人間は厄介です。ある条件を与えると必ず一定の反応をするというわけではなく,学習により防御反応としての別の隠蔽をしてしまいます。

だから,人間そのものに興味をもって調べ続ける心理学者や文学者が出てくるのでしょうね。
電脳中年A
2015/05/15 12:10
電脳中年Aさん

そうかも知れません。
私は家のセッコクの生育を良くするために
少し日向に置いてみようと思います。
ぱんだうさぎ
2015/05/15 22:40
電脳中年Aさん

私は栽培当初から誰にも栽培方法を教えていただいていないので^^;

その方法と類似の手法は、はるか前に行っています 現段階では更に違った方法をとっていますが・・・・ 

結局行き着く先は栽培手法ではほぼ同一になるのでしょう。

ですが・・・・その方法の難点は活着したと同時に日陰では無く日照が多くなった場所に移した時に起こる現象です。

もっと良い方法はないか?もっと良く出来ないかと探求していく事が大事です^^;

話はそれましたが形質変化は仰る通りだと思います。
緑屋
2015/05/16 05:14

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