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<<   作成日時 : 2006/12/25 12:18   >>

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先日,つくば植物園のサバンナ温室で,ナガゲオニソテツの雄株を観た。この植物が植えられていることは以前から知っていたのだが,この日には,胞子嚢穂が大きく育っていた。日本のソテツとは少し感じが違うけれども,観賞価値の高い植物ではないかと思った。

ナガゲオニソテツ(Encephalartos villosus Lemaire)は,ソテツ科エンセファラルトス属に属し,南アフリカ原産の雌雄異株の常緑低木ということだ。

Encephalartos villosus
雄株


Encephalartos villosus
雄株


太古の昔には,現在の我々が「花」だと思っているような花を咲かせる被子植物は存在せず,ソテツ,イチョウ,スギといった裸子植物しか存在しなかった時代があるらしい。さらにその昔には,シダ植物やコケのような植物しか存在しなかった時代もあったらしい。

いずれも化石から想像されている古代の姿なので,本当はどうであったのかは誰も知らないのだけれど,たぶんそのとおりなのだろう。

シダ植物などの胞子嚢や胞子葉は長い年月を経て進化し,現在我々が「花」だと思っているような器官にまで変化を遂げたのだそうだ。その過程においては,昆虫類の進化も関係しており,シダ植物のようにお天気まかせで精子と卵子とを受精させるのではなく,昆虫を媒介者として花粉を運搬させて受精させよるような植物のほうが結局は優位になって今日に至っていると多くの学者は考えている。

ところが,人間の中には昆虫類を嫌う人が多い。特に都会だけしか知らない人にはその傾向が強いようだ。だから,平気で昆虫たちを殺す。へたをすると地上に昆虫など存在しなくてもよいと考えている人さえ存在しないわけではない。

しかし,生態系は,何億年もの年月をかけてすべての生物の相互依存関係の中で形成されてきたものだから,その中の一要素(だけ)を抹殺しようとするとその生態系全体が破壊されてしまうことになりかねない。

人間の多くは無知なものだから,自分の都合だけで地表の景色を一変させてしまうような「開発」を断行し,それによって金儲けをしている人々もたくさん存在する。しかし,よく考えてみると,自滅行為に等しいことをやっているとしか考えられないような場合も少なくないのではないかと思う。

結果が誰の目にも明瞭に分かるようになるにはあと何十年か何百年かかかるかもしれない。そのときには,そのような「開発」をやってお金儲けをした人々の責任など一切忘れ去られているかもしれない。法律上の責任があり得る場合であっても,普通は時効が成立してしまっているだろう。

しかし,本当にそれでよいのだろうか?

子孫をくまなく調べ上げ,時効の成立を否定して全財産を没収するようなペナルティを設けても良いのではないだろうか?

子孫がそのような全財産没収の憂き目に合わないようにするためには,現代に生きて仕事をしている我々が責任をもたなければならない道理となるので,相当未来の人々に対してもきついペナルティを課すような法的な仕組みをこしらえることは,実は現代まさに生きている人々に対する相当強烈な戒めとなり得るだろう。


 ナガゲオニソテツ(長毛鬼蘇鉄)
 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/nagage-onisotetu.html

 Encephalartos villosus - Lemaire
 http://www.cycadsociety.org/villosus/villosus.html

 Encephalartos villosus Lem.
 http://www.plantzafrica.com/plantefg/encephvill.htm

 国立科学博物館筑波実験植物園(つくば植物園)
 http://www.tbg.kahaku.go.jp/

 温室の花科目別索引
 http://homepage2.nifty.com/electronic-middleman/Photos/plant_index3.htm


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