怠け者の散歩道

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<<   作成日時 : 2006/04/08 14:11   >>

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新車購入の下取りに出してしまったのでクルマがない状態になった。久しぶりに自宅の周辺をブラブラと歩いてみた。昨年よりも眼が肥えてきているのだろう,すぐに色んな植物を見つけることができた。その中から幾つか紹介してみることにする。

住宅街内の側溝のU字型コンクリートと道路のアスファルトとの間に隙間ができているところでは,スミレとヒメスミレをみつけることができた。随分たくさんある。



スミレ
(Viola mandshurica W.Becker)


ヒメスミレ
(Viola confusa Champ.ex Benth. subsp.nagasakiensis (W.Becker) F.Maek.)


住宅街の中には小規模な公園がいくつかある。その中の一つに寄ってみたら,そこにも濃い色の花を咲かせている菫があった。ちょっと名前が分からなかったので,帰宅してからいつもお世話になっている「四季の里地里山植物」で調べてみた。それによれば,最近急増中らしいアメリカスミレサイシンの可能性が一番高いということが分かった。どこかの庭で栽培されていたものが逃げ出して野生化したものだろうと思う。



アメリカスミレサイシン
(Viola sororia Willd.)


公園の芝生にはスズメノヤリもいっぱい生えており,ちょうど花を咲かせているところだった。



スズメノヤリ
(Luzula capitata (Miq.) Miq.)


公園から少し歩いて湿地のほうに降りる坂を通った。坂の斜面にはムラサキケマンの花が咲き始めており,湿地のところの道路脇の斜面に生えている木にからまったミツバアケビも綺麗に花を咲かせているところだった。



ムラサキケマン
(Corydalis incisa (Thunb.) Pers.)


ミツバアケビ
(Akebia trifoliata (Thunb.)Koidz.)


湿地の地面に生えるヒメオドリコソウ,ミチタネツケバナ,オオイヌノフグリ,ハコベなどを観ながら歩いていくと,ヤナギの仲間が黄色い穂を出していた。タチヤナギの雄花序のようだ。この場所は,現在土木工事中で,近い将来道路と住宅に生まれ変わってしまう。埋立地なので,将来ここに住む人は地盤沈下に苦しむことになるだろう。このあたりで既に埋め立てられて分譲済みの場所はほぼすべてが地盤沈下を起こしており,宅地として適していない。どうやら財務局からの払い下げの土地を有名な某社が分譲することになりそうだが,そうやって中途半端な住宅地を造ってしまった結果失われた自然を回復する方法などない。どちらもお金のことしか頭にない無責任な人々ばかりだと思うとやけに腹がたった。



タチヤナギ
(Salix subfragilis Anders.)


湿地を埋め立てて造成している道路を通って雑木林の繁る小山に登った。そこを降りて日陰になっているところに行ってみると,斜面にタチツボスミレがいっぱい咲いていた。花園のようでとても美しい。そして,その手前の雑草の生い茂っているところに目をやったら,ウラシマソウが仏炎苞を出していた。やや小型だったがヒメウラシマソウとは色あいが異なるので,おそらくウラシマソウだろうと推定した。



ウラシマソウ
(Arisaema thunbergii Blume subsp.urashima (Hara) Ohashi et J.Murata)


そこから自宅のほうへ向かう道の脇の法面のようなところにも点々とタチツボスミレが花を咲かせていた。私の住む住宅地は自然にあふれる環境の中にあることを実感する。もう開発など必要ないと言いたいところなのだが,そこの地主にしてみればお金に換えたくてウズウズしているのかもしれない。途中で,遺産争いでもしているらしい人々とすれ違った。目が血走っていた。ここらへんの地価などたいした高くもないし宅地化困難な斜面なのでそれこそ二束三文に違いないのだが,人間は欲望にとらわれると合理的な判断などぜんぜんできなくなってしまうのが常だから仕方のないことなのだろう。



タチツボスミレ
(Viola grypoceras A.Gray)


ふと観ると,ニホンタンポポ(カントウタンポポ)の花が咲いていた。最近ではこのあたりでもニホンタンポポが激減し,セイヨウタンポポや雑種のようなタンポポばかりになってしまっている。美しき日本などどんどん消滅しつつあるのかもしれない。「人間の心も同じだろうか・・・」と考え始めると虚無感にとらわれてしまうので,しばしタンポポの花をながめて心を癒し,そして,帰宅した。



ニホンタンポポ
(Taraxacum platycarpum Dahlst.)



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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
電脳中年Aさん、こんにちは。
ご自宅の近くを一緒に散歩させていただいた気分になり、楽しく拝見しました。
我が家の周辺はここまで自然が残っているとはいえませんが、歩くと新しい発見があって楽しいです。こちらは大規模な開発はそれほどありませんが、周囲は山坂が多く、やはり地下室マンションはつくられています。なんかな〜と複雑な気持ちになります。
ミントのみん
2006/04/08 15:47
ミントのみんさん こんにちは。
自分の自宅ももとは台地の上の畑だったところを区画整理事業のようなかたちで開発して住宅地にしたところらしいので,そのに生きていた野草を殺してしまっていることになると思いますし,あまり偉そうなことを言える立場でもないのですが,でも,あまりにもひどい開発が行われているのを現実に目の当たりにして,年甲斐もなく腹をたててしまいました。^^;
今後,少子化が進めば宅地開発の必要性などどんどんなくなってしまうので,デベロッパーや土建業者の数も全国的な規模で大幅に少なくしないといけないのでしょうけど,そういうわけにもいかないから無意味な開発を進めることになるんでしょうね・・・
ミントのみんさんも自然の残っているところにお住いのようですね。それに,素敵なお庭をお持ちです。いつも写真を見せていただきながら,「すごいな〜〜」と感心しています。^^
電脳中年A
2006/04/08 16:03
楽しく見せていただきました。
身近なところに様々な花がありますね。
いままで気にも留めていなかったことに
思い至りました。先日今年はじめての
草取りデーがありました。芝のなかに
沢山のスズメノヤリが侵入してきていて
しかもみな花盛り!取るにとれない状態でした。
こちらで名前を知りました。ありがとうございます。
ミツバアケビの花、素敵です(#^.^#)
ミキの雑記帳
2006/04/09 00:22
ミキさん おはようございます。
これからどんどん雑草も生えてきてしまいますね。可哀想な感じもするけど,草刈もちゃんとやらないと里山としての生態系を維持することができないようです。里山という人工環境は,いわば非常に巨大な庭のようなもので,手入れなしには存在し得ないんですよ。そこらへんが天然林などの自然環境とは異なるわけで,難しいところですね。
ミツバアケビの花は,やや小さいけれど宝石みたいで美しいです。白花の品種もあり,観賞用に栽培されているようです。
電脳中年A
2006/04/09 06:19
久しぶりに、電脳中年Aさんの散歩道を散歩させてもらいました。あれからまもなく1年になりますね。いろいろなことがあるわけですが、人間の営みを気にすることなく自然は昔から同じような営みを淡々とつづけていますね。
 時々、仕事に行き詰ったらこのブログに立ち寄って、美しい花や変わった植物を見ながらちょっと視点を変えて考えるようになりました。忘れてはならない何かがこのブログにはたくさんつまっているように思います。
 体に気をつけて、ぼちぼちと続けてください。
MM
2006/04/12 10:15
MMさん いつもコメントありがとうございます。
もし私が大金持ちだったら毎日野山を散策して花を求め,何かを考えてエッセイでも書き,出版したりしながら暮らすだろうと思うのですが,現実には毎日仕事が追いかけてくるし,責任のある仕事もたくさん引き受けているので理想とはかなりかけ離れた生活をしています。
ときどき散歩したり山に行ったり植物園を訪れたりしていますけど,そういうことをしないと精神的なストレスがすごくて昨年のように体調を崩してしまいそうです。^^;
生来の怠け者なので本当はあまりがんばりたくないんだけど,がんばって仕事しないと生活もできないし,散歩しながら色んなことを考えていると仕事の上でも必要な重要なアイデアが次々と浮かんできてしまいます。私が罹っている病気の中で最も重症なのは仕事中毒かもしれません。(笑)
電脳中年A
2006/04/12 10:31
同じ状態(笑)
MM
2006/04/13 08:04
MMさん
あらら・・・(笑)
電脳中年A
2006/04/13 08:06

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