怠け者の散歩道

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<<   作成日時 : 2005/05/19 11:36   >>

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自宅の近くの空き地を散歩していたら,草叢の中に数本のノアザミが立ち,その花をつけていた。緑の中にすくっと立ったノアザミの姿は美しい。

小さい頃は借家住まいだったのだが,高校生の頃,父が家を建ててそこに住むことになった。当時,実家の周囲は山林が多く,とくにカラマツの林が多かった。カラマツの林には食用となるキノコがたくさん生える。そして,そのあたりでは,春から夏にかけていろんな野草が花を咲かせていた。

あるとき,高校へ通学するために自転車に乗ってカラマツ林の近くを通りかかったら,ノアザミの花が咲いていた。日陰になっているところだったが,その鮮やかな紫色にしばらく見とれていた。

ノアザミの葉はトゲトゲした感じがするし,手折ると何やら粘っこい汁のようなものが出るので嫌う人は嫌うのだが,その花の美しさは数ある野草の中でも比類のないもので,私は大好きだ。

その後,そのカラマツ林は全部伐採され,ブルドーザが山肌を削り取り,大規模な宅地に造成されてしまった。そのあたりにあった野原にはワラビや美味しいキノコがたくさん生えたものだったが,それらも全部姿を消してしまった。

高度経済成長に伴い,普通のサラリーマンが自宅を持つことができる時代になった。そのこと自体は良いことだろう。何しろ,江戸時代以来,一般人は「長屋」のような借家に住むのが普通で自宅を持っているのは農家か商売人か比較的裕福な人に限られていたのだから。

しかし,住宅を建てるために多くの山野が削り取られてきてしまった。

ある研究成果によると,東京の西側にある多摩地区では,全体として見た場合,明らかに高低差がなくなってなだらかな地形になってしまったのだそうだ。それは,もちろん宅地造成によるものだ。

起伏に富んだ山林や里山が消え去り,どこに行っても同じような風景となってしまう住宅地が延々と続く地域。そのようなところばかりになってしまった。

バブルの崩壊によるマンション価格の低下や職住接近の考え方への復帰により,人々は東京の中心地に住むような生活スタイルへと変えつつある。その結果,かつて大規模に開発された郊外の住宅地の中にはゴーストタウン化しつつあるところもあるそうだ。

この先50年くらい先には一体どうなっているのだろうか?

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